ブログ

トップページ ≫ ブログ

サービスとは何ぞや?

Date:2019.04.24

先日東麻布の大好きなレストランで食事をした時のお話です。

そのレストランは桜が咲き誇る東京タワーを眼前に、数年前まではその詳細を一切明かしていなかった知る人ぞ知る、フレンチベースの創作料理(とっても美味しくコスパが非常にいい!)と豊富なワインを提供している、素敵なレストランです。
オーナーでもあるソムリエの彼が食事の終盤で

このデセール(フランス語でデザート)は私から、この素晴らしい景色は当店からの”サービス”です

と、ピスタチオのタルトみたいなとっても美味しいデザートを頂きました。

「この素晴らしい景色は当店からの”サービス”です、なんて台詞ちょっとやそっとでは言えねぇよな〜」
っと感心していました。いつか使おうとメモってました。
その時にフッと

「おや? ”サービス”って一体、何ぞや?」

と疑問がわいたのです。
”サービス”って言葉は沢山あるけれど、例えば産業分類におけるサービス産業とスーパーや量販店でのタイムサービスや期末決算サービス、美容院などのシャンプー・ブローの技術的なサービス、クラブやラウンジで綺麗な女性からおだてられるリップサービスなどなど、ワードとしては同じ”サービス”という単語を使っていますが、その質も内容も全く違いますよね。

いったいサービスとは何ぞや?

ということで”サービス”を考えてみます。

 

 

Contents

サービスの概念を考えてみる

まずはサービスという概念を見つめないと先には進めません。
ということで概念から考えてみましょう。

サービスマーケティングの研究者、グルンルースによるとサービスの概念は
「顧客がいかに商品を消費するのかを考えて、結果を生むサービスパッケージを顧客志向に設計し、提供する活動とプロセス」
であるとしている。
つまりお客様が欲しいと思う商品・サービスを生み出すこと、提供すること、お客様がベネフィット(利潤)を得ること、それらの活動そのものがサービスの概念といえるでしょう。

サービスの分類

サービスという言葉の概念(考え方)は何となく分かりましたよね。
では次に、もっと具体的にサービスについて考えるために「サービス」を分類してみます。

どうもサービスとその活動を考察してみると「経済レベル」、「企業レベル」、「商品レベル」、「活動レベル」の4つのレベルに分類されます。
そこから掘り下げてみましょう。

 

 

「経済レベル」

経済学の視点から言えば、サービスは「無形の財」という認識です。
例えば情報、システム、教育など、形は成さないが ◯◯サービスとして売買の対象になるものです。

つまり有形の物質の財、自動車や時計や家電製品など、形の成す製品売買のみでの経済活動ではないという事です。

「企業レベル」

日本標準産業分類における14業種のうち7業種をサービス産業としています。そのうちL.サービス業という大分類項目の中に72の中分類が明示されており、主には「接客業務」という明確な業種が占めています。
企業レベルでのサービスとは、「人」もしくは「所有物」に対してお客様が望む変換を企業が持つ価値で「形のあるもの」もしくは「形のないもの」で提供するプロセスと言えます。

ここでは形のあるものでも企業が商品を提供するプロセス(これは形がないですよね)についてはサービスといいます。

「商品レベル」

あえて単純に言ってしまえば「顧客のニーズに応える企業が提供できるオファー」、要するに形のあるモノでも形のないモノでも、それらが消費、使用するお客様に何らかの便益をもたらすものです。

例えば自動車を買った時の喜びや興奮、念願の洋服を手に入れた時の感動、またその商品がもたらす日常の歓びや気持ちの高揚など、企業が商品(モノ)を提供する時の付加的な感情の便益みたいなものです。

 

「活動レベル」

上述の「企業レベル」が「商品レベル」をもってして「経済レベル」を起こす一連の活動や行為、を指します。
言ってしまえば企業が資源(ヒト・モノ・システムなど持っている全て)を活用して経済活動すること、と言えます。

言葉にするとややこしいですよね…。

 

サービスの定義

大丈夫ですか?

伝わっていますか?

概念だとか分類だとか言葉で表現していくとホントややこしいですよね。
また、そんなことを考える意味なんてあるんですかね?

 

あるんです。

 

実はこういった理解をしっかりとしておかないと企業運営していくにおいて、狙い通りの戦略や戦術としての活動や思惑通りの結果が得られにくくなります。

これらを本質的に理解することで自分たちが普段当たり前のようにお客様と接し、挨拶したり、会話したり、商品説明をしたり、販売をしたり…といった日常活動のひとつひとつに目的や意味が生じてきます。

働いているスタッフの方々にモチベートのかかったミッションを果たしている実感を感じさせてあげられます。
「心のこもったおもてなし」とか、「お客様から愛される企業になろう」とか、そういった判断のしづらい目標に対して、大切なものは何かということの指標、指数、道標が生まれます。

デザートのサービス、割引券のサービス、コーヒーおかわりのサービスなどは有形のサービスで、
景色のサービス、シャンプー・ブローのサービス、気分を良くさせるリップサービス、心のこもった挨拶などは無形のサービスです。
スタッフ全員がちゃんと理解しておけば、それは「誰に対して」、「何の価値を提供し」、お客様は「どんな便益を得ているのか」を頭で考え、心で反応し、身体が行動するようになります。

何も理解せず、ただ「ウチはこういったサービスをお客様にしなさい」と教えられて提供するとではお客様が受ける印象は全く違ってきます。

つまるところサービスとは

”様々な分野(職種・場面・提供先・提供物など)における一連の活動とその結果、それら全てをお客様の視点で行うこと”

と言えます。

デザートのサービスも素晴らしい景色のサービスも、そのアイデアも、行動も、それを言葉で伝えた行為も、それに喜んだ私の感情も、それら全てをひっくるめて”サービス”と言えるのではないでしょうか。
(*自論につき諸説あり)。

>> 一覧ページへ

 

GM.institute

GM.institute株式会社
〒640-8128 和歌山市広瀬中ノ丁2丁目39番地
TEL&FAX:073-427-1333
https://gm-institute.co.jp/

lab

lab
〒556-0011 大阪市浪速区難波中2-10-70 なんばパークスタワー19F
TEL:090-3283-1121
https://gmi-lab.com/