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マネジャーの役割

Date:2019.06.22

1916年にフランスに実業家、アンリ・ファヨールがマネジャーの仕事を「計画」「組織」「調整」「統制」と位置付けて以来、この4つのワードがマネジメントを支配しています。

ではみなさんの会社におけるマネジャー(CEO、管理責任者、財務責任者、開発責任者、販売責任者など)においての日常業務を振り返ってみて、計画、組織、調整、統制に一体どれだけの時間を費やせていますか?

 

Contents

マネジャーの現実

マネジメントの権威、ヘンリー・ミッツバーグが1973年に発表した研究では、ほとんどのマネジャーが絶え間ない訪問者と郵便物、電話(現在の時代ではさらに電子メール)にかかりっきりで、1日8時間に583件を処理していた。
これは平均すると48秒ごとにひとつの割合である。

CEOに関しては、活動の半分は9分とは続かず、1時間を超えたのはわずか10%にすぎなかった。

イギリスのミドル・マネジャーでは、30分以上邪魔が入らずに仕事ができたのは、2日に1回しかなかった。

上司から、部下から、外部からと、様々な直面する問題に対して取り組まねばならない案件に忙殺されているのが現実ではないでしょうか。
マネジャーがビジネスを計画し、強固な組織を構築し、他部門や関連業者などと調整し、マクロにミクロに統制を図る時間は一体どれだけ残されているだろうか。

 

マネジャーの仕事

マネジャーを「組織やユニットを預かっている責任者」と定義すれば、組織内における情報の収集と展開の役割、資源配分や交渉者、企業家としての意思決定の役割、そしてリーダーとして組織を牽引する対人的な役割の3つが主であろう。
そしてそのためのフォーマルな権限と地位を与えられています。

3つの役割を詳しくみてみましょう。

 

対人関係における役割

【看板的役割】

顧客に対して、社会に対して、組織が円滑に機能するために不可欠な役割。

【リーダー的役割】

組織に属しているスタッフの仕事に対して責任を負う。
スタッフの成長とスキルの向上の機会を与える。
スタッフの士気を高め鼓舞し、モチベーションを与える。
スタッフの持つ欲求と組織の目標を合致させる。

【リエゾン的役割】

「リエゾン」とは結びつき、仲介、橋渡しなどの意味を持つフランス語です。
上司、同僚、部下、サプライヤー、関連提携先、銀行、メディア、社会などとのコミュニケーションですね。
ちなみにイギリスの研究では、ミドルおよびトップマネジャーは自分の時間の47%を同僚に、41%を組織外の人に、そして上司とはわずか12%しか割いていないことが明らかになっています。
これは垂直的命令ツリー型組織(日本の伝統的な組織形態)の欠陥の一つでしょう。

情報に関わる役割

【監視役】

マネジャーは常に情報を求めて周囲を探り、さまざまなネットワークからコミュニケーションを通して情報を得なければなりません。
もっともそれら情報の大部分が、噂、ゴシップ、憶測の類であるのですが…

【伝達者】

自分が保有している情報の中から部下や関係者に伝え、知識の向上や正しい情報をサポートをする。

【スポークスマン】

組織のパフォーマンスに影響を与える人々に情報を流し、ビジネスを円滑に行えるようにする。
組織内部の担当者、組織外部の関係者のみならず、消費者団体、行政担当者、各種メディアなどへも大切でしょう。

意思決定に関わる役割

マネジャーは組織の神経中枢であり、現場の情報を網羅的に把握していることから、組織の正しい戦略戦術の舵取り役として一連の意思決定を下すことが可能である。

【企業家】

組織の改善、変革、構築を担い、新しいアイデアをプロジェクトにのせ、実現させなければなりません。
企業が成長するための変革を起こす鍵となる役割。

【妨害排除者】

【企業家】が自発的な働きであるのに対して、【妨害排除者】の役割は、多発的な何らかの圧力に対してやむなく対処する働きを指します。
例えば顧客からのクレーム、社内外の問題解決、コンプライアンスへの対応、その他無視のできない事項などへの対処である。
いつも順風満帆な組織などはありえない。マネジャーの有能無能にかかわらず、予測できない問題は必ず起こりうるものである。その対処いかんでマネジャーの能力が問われます。

【資源配分者】

ヒト、モノ、カネ、情報といった組織の資源をどのように配分して成果を最大にもたらすのかをマネジメントする役割。
注意すべきは、マネジャー自身の時間という資源をいかにマネジメントするか、また戦略上のそれぞれの意思決定が一貫性であることが大切です。

【交渉者】

あらゆる重要な交渉に必要な情報を、神経中枢網から適切に引き出し、組織を有利な状況に持っていく役割。

 

時代背景をともなったマネジャーのさらなる仕事

上述がマネジャーの仕事の基本であり、これらの役割全てをバランスよく効率よく有効的にこなし、成果をたたき出すことがデキるマネジャーのパフォーマンスです。

さらに時代の変化に伴い、仕事や役割は増していく一方である。

 

ICTインフラの整備

最新ツールの導入

CSR、CSV、SDGsへの取り組み

ガバナンス

インテグリティ

働き方改革

・・・

 

 

さいごに

これらの仕事や役割をマネジャーひとりで抱え込んで解決していくのは不可能である。
逆に解決すべき問題に対してきちんと対処しないことで、手付かずになったり、中途半端であったり、逆効果になったりしてしまうのがオチでしょう。

そんな時は一度立ち止まり、ゆっくり周辺を見回してください。

あなたでなければ出来ない役割はあるでしょう。
同時にあなたでなくとも出来る役割もあります。

「これは私がやる、あれはキミがやってくれないか」

もし部下に頼んだならば、その部下は頼られたことでモチベーションがあがり、チャレンジすることで得難い経験を積むことができます。

有能なマネジャーは
上司や同僚、部下を巧く巻き込み、目的(企業や組織の利益)達成への手段(誰が、何を、どのように)行使が適切で明確です。
そして時間を捻出し、さらなる役割貢献への学びや研究に費やす。
それによって得た知識や情報が、溢出する問題解決へのベストアンサーを貯蓄していくのです。

企業や組織にとって真に有能なマネジャーは、知識と経験と資質が必須である。
資質は経験が生み、知識は学びが生みます。
そして有益な経験は、時間ではなく人間性が生み出します

マネジャーが自発的にできることは
人間性を磨くことと学ぶことである。

 

ちなみにここで指しているマネジャーはいわゆる管理職全般のことである。
もちろんCEO職も含んでいることを念押ししておきます。

 

 

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