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企業変革を考えてみる

Date:2019.07.09

日本はこれから、世界でもっとも急激な高齢化によって「一人の若者が一人の高齢者を支える」社会がおとずれます。現在の年金、医療、介護のサービス水準を維持するだけでも、税金投入を毎年1兆円以上増加させる必要があります。
GDP対比における日本の労働生産性は先進国の中で最低であり、租税収入(第28位)、財政収支(第28位)についてはOECD諸国と比較して、非常に低い水準となっています。
「退職後に生きていくために必要な自己資金が2,000万円」と言われる日本において、極めて重要なのが
これからの企業のあり方です。

高度成長期から続いているKKD(勘・経験・度胸)に頼る経営では、もはや企業は現代の市場環境では生き残ることができません。
これからの企業経営は、「学術的な理論に基づいた経営リテラシー」を核とした経営手法が不可欠な時代です。

まずは旧態依然とした企業体質にどっぷり浸かった現状を破壊して、そこから新たな企業の体質を創造すべきです(ただし、ステップや方法を間違えると取り返しのつかないことになります。実際、多くの企業が企業変革{イノベーション}に取り組んでは失敗し、やがて元の体質へと逆戻りしているケースが数多見られます)。

ここでは企業変革のステップや重要な点を、トピックで紹介いたします。
あくまでもトピックですので、企業の特色や風土、文化、業態、歴史などによって大きくアレンジして実践すべきですが、基本的な流れや重要なポイントは変わりません。
自社がおかれているあらゆる状況を解析した上で、どの部分に、どれだけのテンションをかけ、期限にたいしてどのくらいの時間と労力を要するか、などを正確に分析してから取り組む必要があることを、あらかじめ断っておきます。

そして、トップマネジャーによる改革への覚悟尽力忍耐が不可欠です。

 

 

Contents

変革の定義

企業変革とは・・・
「厳しさを増しつつある新しい競争環境に対応するために、ビジネスのやり方を抜本的に改革すること」

抜本的というワードに注目してください。
今までのやり方を周到していては、「部分的」というワードになります。
何もかも変えてしまうつもりで取り組む必要があります。
もちろん以前と同じ業務方法に落ち着くことも考えられます。そういったケースでも、「あらゆる業務に対して抜本的にやり方の改革を考え抜いた上で、その方法が以前と同じやり方となった」という結論で終始させてください。

 

変革における2つの教訓

1)「企業変革の8段階」を省略せず、時間をかけてプロセスを踏まなければならない

)いずれの段階においても、致命的なミスで全ての成果を台無しにする

以上の2つの教訓を忘れずに、慎重かつ大胆に、ダイナミックに覚悟をもって取り組む必要があります。

 

それでは企業変革の8段階のステップを見ていきましょう。

 

 

企業変革の8段階

 

1. 緊急課題であるという認識の徹底

▪️市場分析を実施し、競合状態を把握する

▪️現在の危機的状況、今後表面化しうる問題、大きなチャンス、などを認識し議論する

 ・現状を直視し、それを社内に浸透させる方法を考える

 ・多くの社員の積極的な協力を要する

 ・十分に浸透するまで先に進まない

 ・新しい、優秀な、経験のあるCEOや部門長が変革のキーパーソンとなる

 ・変革推進チームは現状現実を受け止め、忌憚なく議論すべきである

 ・危機意識の十分な浸透が必要である

 

2. 強力な推進チームの結成

▪️変革プログラムを率いるだけの力をもつグループを結成する

▪️一つのチームとして活動するように促す

 ・変革推進チームには最低限の人数が必要である

 ・トップマネジャーはもちろん、役員全員が参加するのが望ましく、相当強力なメンバーで構成する必要がある

 ・主要取引先の代表者や、影響力のある労働組合の執行役員などの参加は望ましい

 ・組織階層や命令系統を超えた活動が欠かせない

 ・変革推進チームのチームワークが必要である

 ・変革推進チームを牽引するリーダーシップが重要である

 

3. ビジョンの策定

▪️変革プログラムの方向性を示す、ビジョンや戦略を策定する

▪️策定したビジョン実現のための戦略を立てる

 ・ビジョンは、自社が進むべき方向性を明確に指し示すものである

 ・ビジョンは、他人に説明して理解と関心を示す反応を得られるものである

 

4. ビジョンの伝達

▪️あらゆる手段を利用し、新しいビジョンや戦略を伝達する

▪️推進チームが手本となり、新しい行動様式を伝授する

 ・社員による「短期的な犠牲」は不可欠となる

 ・社内浸透にむけたコミュニケーションには、高い品質と膨大な量が必要となる

 ・社内浸透の実現には、ありとあらゆる手法のメッセージ手段が必要である

 ・執行役員は、ビジョンの歩く広告塔、新しい企業文化のシンボルとなるべきである

 ・コミュニケーションは、行動と言葉、そして2つの整合が大切である

 

5. 社員のビジョン実現へのサポート

▪️変革に立ちはだかる障害物を排除する

▪️ビジョンの根本を揺るがすような制度や組織を変更する

▪️リスクを恐れず、伝統にとらわれない考え方や行動を奨励する

 ・実際に存在していようがいまいが、当人にとっての障害は排除する

 ・どれだけ重大な障害であれ、対峙し、排除しなければならなない

 ・新しいビジョンに沿った、公正明大な対処でなければならない

 

6. 短期的成果を上げるための計画策定・実行

▪️目に見える業績改善計画を立てる

▪️改善を実施する

▪️改善に貢献した社員を表彰し、報奨を支給する

 ・能動的かつ積極的で短期に結果が見える計画を積み重ねる

 

7. 改善成果の定着とさらなる変革の実現

▪️勝ち得た信頼を利用し、ビジョンに沿わない制度、組織、政策を改める

▪️ビジョンを実現できる社員を採用し、昇進させ、育成する

▪️新しいプロジェクト、テーマやメンバーにより改革プロセスを再活性化する

 ・変革のゴールを見誤らない

 ・結果の信頼感を追い風に、さらなる大きな問題へと立ち向かう

 ・最終的な大改革の成功に必要な時間軸を理解する

 

8. 新しいアプローチを根づかせる

▪️新しい行動様式と企業全体の成功の因果関係を明確にする

▪️新しいリーダーシップの育成と引き継ぎの方法を確立する

 ・新しいアプローチや行動様式、考え方が業績改善にどのくらい貢献し得たのか、社員に意図的に社内コミュニケーションによって何度もアピールする

 ・変革の後継者を時間をかけてでも醸成させる

 

変革のキーワード

・ヒト

・リーダーシップ

・ビジョン

・モティベーション

・プロセス

・アクション

・タイミング

 

 

まとめ

いかがでしたか。

今回は「企業変革」についての8段階ステップをご紹介しましたが、ここから「組織」「製品・サービス」「流通チャネル」「マーケティング」「評価制度」などの細分化変革を積み重ねていくことが総括的な企業変革につながります。
それぞれの変革にあたっては、この8段階のスッテプを踏襲しつつ、キーワードに注力しながら推進し、ぜひ企業変革の成功へと導いてください。

 

繰り返しになりますが、経営者やトップマネジャーによる「覚悟」「尽力」「忍耐」、そして「経営リテラシー理論に基づいた経営手法」は不可欠であることをお忘れなく!

 

 

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