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人間力の時代に突入

Date:2020.02.29

あらゆる人は仕事をするにおいて身体や認識能力を活用することで、肉体的労働や精神的労働を提供しています。

こうした労働以外に、実は大半で必要とされているのが「感情労働」である。

たとえば顧客とエンカウンターで接客するサービス業やセールススタッフには心のうちがどうであれ明るさや親しみが求められ、葬儀屋さんは悲しげに、医師や看護師さんは感情を出さないような対応を求められます。

これが感情労働です。

会社の方針や上司の指示命令、同僚や部下に対しても、同様の感情労働が要求されています。

ところがどうでしょう。
皆さんは自己他者ともに対して、普段から感情労働をマネージしながら働いていないのではないでしょうか。
無意識のうちに、またはいつからか、仕事というものは肉体的な労働や、精神的な労働を提供する(させる)のは当然だから、感情も同様に労働として提供する(させる)のは当然であるとしてはいませんか?

 

Contents

感情と態度と行動の科学

 

考えてみてください。

感情を犠牲にするのではなく、感情を移入させる方が
より心の底から明るく振る舞え、悲しくもなり、上司のいうことも身に染み、部下に対しても真剣に対峙できると思いませんか。
ましてや感情はどんなに取り繕っても多かれ少なかれ相手に伝わります。

 

「あっ、この人は本心ではそう思っていないな…」

「この上司は私のことより自分のことを考えて言ってるな…」

 

わかっちゃいますよね。

バレますよね。

 

感情は態度に表出し、行動として現れます。

だから、生産性、組織市民行動、常態的欠勤、転職率 などに影響を与えます。

 

組織の行動

 

こうした人の感情や態度、行動をマネジメントし、組織を正しく導くために「組織行動学」という学問が存在しています。

 

組織行動学とは

組織行動に関する行動科学は、
心理学、社会学、社会心理学、人類学、政治科学を基に
「組織行動学」という学問で研究されています。

その問題解決への取り組みは、
学習認知パーソナリティトレーニングリーダーシップ効率性欲求モチベーション職務満足感意思決定プロセス業績評価態度の測定従業員の選定方法職務設計ワーク・ストレス
などの範囲までおよんでいます。

 

組織行動学の目的

これらの学問を駆使し、組織行動学は何を探求するのだろうか。

《説明する》

個人や個人のグループが何かをしたとき、その理由を知るために説明を求めることから始まります。そして理解したことをもとに原因を明らかにする。そこから状況を是正するための措置を取ることが出来ます

《予測する》

将来の出来事に対し、ある対策をとればどのような結果になるかを予測し、その情報をもとに意思決定を下すサポートが出来ます

《統制する》

民主主義、個人の自由、倫理というコンセプトをもとに築かれた社会において、これらの知識をつかって人の行動を統制(マネジメント)することが出来ます

組織行動学の有益性

組織行動を説明し、予測し、統制できる能力は
高齢化社会、高度なグローバル化、労働力の多様化の時代において
常に求められる 品質、生産性、顧客サービス、対人関係スキルの向上、組織マネジメント などに極めて有益となるでしょう。

 

個人の行動

 

組織の行動は個人の行動の集合体です。
だから個人の行動を理解せずして組織の行動をマネジメントはできません。

ということで、個人の行動をみていきます。

 

個人の価値観

人の意思決定や行動には、個々人の価値観が大きく反映しています。

どんな美女の誘惑にも屈しない男性は、 ”愛する人を悲しませることはあるまじき行為” という価値観をもつ人であり、一方、「据え膳食わぬは男の恥」とばかりに受け入れる男性は、もしかしたら ”一度きりの人生、自分に正直に生きるべし” という価値観の持ち主かもしれません。

価値観とは、「ある特定の行動様式や存在の終局状態を、個人的または社会的にそれとは逆の行動様式や存在の終局状態よりも好ましいと思う」という基本的な信念を表したものです。
つまり、何が正しいか、何が望ましいか、などといった個人の考え方の反映といえます。

価値観の世代別分布

個人の態度

態度とは、人や出来事に関する好ましいか、好ましくないかの評価を表すもので、その人がどのように感じているかを表すものです。

組織行動学では人がとる態度を、
職務満足感職務への参画組織へのコミットメント
などを包含しています。

職務満足感

職務満足感とは、自分の職務に対する全体的な態度のことです。

特に職務満足感は組織をマネジメントする立場の人にとって、最も興味のあるテーマといえます。

職務満足感の高い人はその職務に対して積極的な態度をとり、満足していない人は消極的な態度をとります。

職務満足感を決めるもの

仕事に関する変数で職務満足につながる要素とは、
精神的にやりがいのある仕事公平な報酬支援的な作業条件同僚の支え
であることがこれまでの研究でわかっている。

職務満足感と生産性

当然、「職務満足感の高い人は生産性が高い」と考えませんか?

この問いについてはこれまで多くの研究者による数多くの実証研究とメタ分析がなされています。

結果

「職務満足感の高い人は生産性が高い」とは、単純にはそれほど効果がないことがわかりました(プラスに働く変数ではあるが…)。

満足感が生産性の向上につながるというよりも、むしろ生産性が満足感につながる可能性のほうが強い
ということが判明したのである。

良い仕事をして生産性が高まれば、内的要素で気分が良くなり、会社からは褒められ、給与や昇進の可能性が高くなることで、仕事への満足感を高めることになる、という図式である。

なるほど♪

職務満足感と組織市民行動

満足感の高い人は、所属企業について前向きな発言をし、他人を支援し、期待以上の仕事を果たす傾向は確かに認められています。

ただし

その人が、公平な結果、処遇、手続きなど公平に扱われていると認識している場合にのみ得られるものであることがわかっている。

 

まとめ

どんなにAIやIoTや情報社会が発達しても、突き詰めればヒトとヒトとのつながりで経済や社会は成り立つものです。

品質や利便性が追求された商品やサービスも、権力や強権で従業員を支配しようが、安かろうが、良かろうが、簡単であろうが、便利であろうが、

最終的にはヒトの感情でヒトは行動するのである。

 

他人を評価したり、動機づけたり、行動を促したり、リレーションをマネジメントする際には、こういった知識やスキルが必要な時代になってきているのである。

 

悩ましいのは、そういった下心のあるマネジメントを
消費者や従業員スタッフは感じ取ってしまうという点である。。。

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