Date:2022.03.03
ウクライナの情勢が気になります。
プーチンも、それこそゲーム理論を駆使して相手(世界中の世論)の出方を予測しての「軍事的戦略」であろう。
米国やNATOを筆頭に各国の反応、軍事力の優劣、経済的打撃など。
それらを徹底的に考え抜いての蛮行である。
ところが、
この理論には穴がある。
元来、「戦略」は文字通り “戦うための策略” というところが由来である。
今やビジネスやスポーツにまでその言葉は日常的に使われる。
・低価格戦略
・差別化戦略
・ドミナント戦略
・先行逃げ切り戦略
・攻撃的戦略
・体力温存戦略
などなど
戦略にまつわる言葉は枚挙にいとまがない。
しかしながら、こうした戦略は(というか、経済学的考えは基本的にそうであるが)、
“人や組織はおおむね合理的に判断する” という原則のもと成立している。
「人は、同じ性能のものなら安い方を選ぶ」
とか
「企業は、同程度の能力をもつなら偏差値の高い出身校の人を選ぶ」
などという合理的意思決定ありきで理論化させている(させなければならない)。
ところが、である。
これら理論を適用する(される)対象は、
感情やバイアスに左右される人間なのである。
(*行動経済学という科学では、こうした人間のもつ非合理的なバイアスを実証的に説明している)
上記の例をとれば、
多くの人は、多少高くても愛想のよいお店で買ったり、
同じ商品が安く売っていても “あの店(人)からは買いたくない”
といったことはあるだろう。
同程度の能力(多少能力が劣っていても)なら “自分と同じ出身校の人を選ぶ”
といったこともあるだろう。
だって、人間だもの
さて、
平穏に暮らしていた毎日に、いきなりミサイルを打ち込まれているウクライナ国民はたまったもんじゃない。
もちろんそうである。
では、
平和に暮らしている国に対して、力にモノをいわせてミサイルを打ち込んでいるロシア国民はというと、
これまたたまったもんじゃない(もちろん、プーチンはじめ一部のロシアの人間にとってはあてはまらないだろうが)。
多くのロシア兵は、今回の軍事侵攻に対して全面的に賛同していないとの報道もある。
ロシアの国内で反対運動が出ている。
そうなのだ。
人の感情というものは理論的枠組みでは捉えきれないものなのである。
そして、ときに、こうした感情という熱量は戦略の予想を上回る。
この戦争の帰結は、経済制裁や戦略的駆け引きではなく、世界中の人々の感情によりもたらされる気がしてならない。
つい先日、車で信号待ちしていたら、とあるお店から客が車で出ようとしていたのが見えた。
店の従業員が道路そばまで見送り、車が見えなくなるまでお見送りするという “キマリ” なのであろう。
その客の車が道路に合流し、少し走ったところ(15メートルほど先)で脇を走っていた原付バイクと接触した。
見送りをしていたお店の従業員は、ハッとして慌ててお店に入っていった。
見て見ないふりをしたのは明らかである。
僕は思った。
「この店では絶対にモノを買わないでおこう」と。
おわり
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