Date:2019.04.17
今年のマスターズはタイガーウッズの劇的な復活逆転優勝で閉幕しました。一時は世界ランク千百位にも落ち込んでいましたが、見事復活優勝を果たしました。
今回の復活の裏側には、我々の知る由もない計り知れない努力があったのでしょう。
多くのスポーツでアスリート達の感動のストーリーに隠されたたゆまぬ努力は、結果が伴えば世間から称賛され、出なければ忘れ去られるという厳しい現実があります。
企業においても同じことが言えます。
技術者や研究者達が寝食忘れて製品を開発し、現場ではフル稼動で生産し、営業部門は全力の販売努力を惜しまない。
そしてそれがヒットすれば好事例になり称賛され、受け入れられなければ(売れなければ)その製品・サービスは消滅します。
まさに企業とはアスリートな世界なのです。
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この世の中には様々な製品・サービスが存在しています。企業はそれこそ叡智を絞って製品やサービスを創出し、消費者はそれが必要であると判断すれば購入する、これがいわゆる社会の経済活動であります。
この時代、本当に品質が良く安全で安心のできる製品・サービスでなければ売れません。
これは最低限必要です。
では本当に品質が良く安全・安心のできる製品・サービスを開発、生産してしまえばあとは成功の道が開いたのでしょうか?
そうではありません。
この時点では世の中の誰もが(生産者たち以外)その”本当に良い製品やサービス”の存在を知りません。また存在は知っていてもどこで買えばいいのかわかりません。開発した会社は信用できるのかわからないから買っていいのかどうかわかりません。
消費者は企業の持つ素晴らしい製品やサービスを、あなたの企業をそんなに知らないのです。
そういう事です。
”どこでもドア”も”タイムマシン”も”タケコプター”も発明され存在していたとしても、誰も知らなければそれは存在していないのと同じことなのです。
マーケティング・マネジメントとは、企業の持つ製品やサービスを世の中に周知し、より多くの人に興味を持ってもらい、数多い競合他社の同じような製品・サービスの中から選んでもらうことを戦略的に仕掛けることである。
つまりは製品やサービスの”需要がわく市場を創り出し”、”顧客との関係の創造と維持”をコントロールする事です。
ではいかにして”需要がわく市場を創り出し”、”顧客との関係の創造と維持”をすればいいのか?
あなたの持つ組織と製品やサービスを考えて想像してみてください。
準備はいいですか?
目標を決めましょう。
行き先のわからない旅ほど時間もコストも労力も無駄にしちゃいます。
気持ちも不安になります(僕は一体何をしているのだろう…的な)。
売上高、利益率、対前年比、市場シェア、ブランド認知…
「2年後に売上高50億円達成」、「3年後に利益率15%改善」、「5年後市場シェア30%獲得」など、いつまでに(期間設定)、何を(対象)、どの程度(数値設定)まで達成するのか、を定めましょう。
あなたの製品・サービスに果たすべき使命を与えてください。
彼らは忠実にあなたに仕える騎士です。明確に使命を命じてください(イメージで言えば時代は中世、あなたは国王、製品・サービスは優秀な騎士たち)。
”どんな人にお客様になってもらいたいのか(ターゲティング)”
”どの市場のどの分野のどんな位置づけで販売したいのか(ポジショニング)”
”お客様にどんなメリットを与えられるのか(コンセプト設定)”
目標と使命が確定しました。
次はどのように認知を拡げ、市場に旋風を巻き起こし、ニーズを掻き立て、大挙行列をなして求めてくるかの戦術を策定します。
(イメージとしては、国王のあなたは腹心を集め、騎士団の強点や弱点、戦闘力、騎士数、武器数などを見極め、移送方法、救護体制、恐れをなす風説の流布・ネーミングなどを議決します)
具体的にはマーケティング・ミックス、4つのP(製品〔Product〕・価格〔Price〕、流通〔Place〕、プロモーション〔Promotion〕)をどう展開していくかをステップ3の使命と整合させて決めていきます。
このステップはとっても重要です。
なぜならステップ1・2は予測していた以上のまぐれ当たりが発生しますが、ステップ3の4Pには通用しません。必ずその展開通りに実績が上がります。
なので4つのパートをくれぐれもしっかり検証し、決定してください(それぞれに詳細戦略が必要ですが、それはいずれ別ブログでご説明します)。
マーケティング・ミックスの4つのPは企業側がとらえる方向の観点です。
でもお客様側から見ると4つのCになります。
抱える問題の解決(Customer solution)、支払う費用(Cost)、得られる利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)
4つのPだけでなくお客様側の観点(4つのC)からも考慮すべきなのはお分かりですよね。
マーケティング・ミックスの4つのPの整合性を考えるにあたっては(次のステップ4も同様)、自社の持つ強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(oppourtunities)、脅威(Treats)を検討しておくべきである。
これを人は「SWOT分析」、そう呼びます(これも事例を出して詳しく説明すべきですが、別ブログにて)。
分析にあたってはさらにもうひとつ。
製品やサービスは、世に出てから時間経過とともにその性格が出てきます。
人間の子供の成長みたいなものです。
”お金のかからない出来の良い子”、”お金はかかるけれど出来は良い子”、”お金はかからないけれど出来の良くない子”、”お金はかかるし出来も良くない子”
出来の良くない子の方が可愛かったりするものですが、製品・サービスとなるとそうも言ってられません。
もっともっと頑張ってもらうのか、もっとお金をかけるのか、もうお金はかけないのか、撤廃するのか、という判断をくだしていきます。
これを人は「PPM分析」、そう呼びます(詳細は別ブログで)。
PPM分析と並列で考えていきます(別ブログで)。
ここまでのステップは分析につぐ分析、検証につぐ検証、検討につぐ検討、会議につぐ会議でようやく決定しました。
次はそれら全ての実現可能力を、自社の組織が持ち合わせているかどうか計り知らねばいけません。
でないと、
製造部門からは「そんな量をウチでは作れません」、「そんな技術はございません」、「そんな機械など無いですが」など、
販売部門からは「営業スタッフは休日どころか寝る間もないぞ」、「競合他社だってあるんだからさ」、「ウチってもしかしたらブラック?」など、
取引先からは「そんな配達スケジュールは無理です」、「そんな多くを供給できませんよ」、「他にも納品先があるんだから」など、
店舗の現場から「売り切れでお客様がお怒りなんですが」、「お店の大きさが足りません」、「事件は現場で起こってるんですから」などなど。
そして本部では、「あれ?ウチって全然対応できないじゃん」みたいな、目標や戦術・戦略は完璧だけど、実現可能力が追いつかないという事になりかねません。
消費の対応、競争の対応、取引の対応、組織での対応を検討し、事前に解決しておかねば全ての苦労が水の泡と化してしまいます。
あとは実行あるのみです。
そして「継続」すること。
さらに大切なのが、ステップ1の目標に対する結果進捗を計測するための全ての数値(KPI)を集めるということ。
数字は正直です。
真の統計数値、そこから正の経験が得られます。
先ほどのPPM分析とプロダクトライフサイクル分析の詳細は記載しませんでしたが、簡単に言えば製品・サービスの寿命をどこまで伸ばすか、いつまで稼ぐコンテンツにするか、を決定づけるための分析です。
つまり、ちゃんと稼げる寿命が長ければ長いほど製品・サービスは成功と言える訳ですから、「しっかり稼いで寿命を伸ばす」そのためにはPDCAサイクルで常に改善と進化をコントロールしなければなりません。
企業にとって、マーケティング・マネジメントの他にも、組織のマネジメント、財務のマネジメント、開発のマネジメント、販売のマネジメントなど、経営全般に関わる全ての分野においてマネジメントが必要です。
そしてそれぞれのセクションにおける現場マネジメントを担うのがマネージャーという職責の方々です。
ほとんどの企業でマネージャーたる役職を配置しています。経営トップや経営本部で決定した方針や方向性を、各セクションの現場で正しく、一致して歩んでいくには現場スタッフを指揮する「マネージャー・マネジメント」の職務が非常に重要です。
世のマネージャーの皆さまは重責に負けず、くれぐれも心と身体の健康をご自愛ください。
今回は「マーケティングとは何ぞや」なのでマーケティング・マネジメントに特化しましたが、それぞれのマネジメントついても研究を重ねて、より精度を高め、実務レベルに落とし込むことが経営リスクを減らす唯一の方法ではないかと考えます。
また、今回のブログ内容もマーケティングのほんの一部のさらに表面をさらっとなぞっただけのものです。
真理はもっと根深く、課題は多岐多様にわたります。
組織マネジメントも、財務マネジメントも、開発も生産も販売も顧客接点なども然り、経営者が理解しなければならないテーマは深く広く多種多様です。
我々GM.instituteの経営デザイナーは、そこを研究という手法で深掘りし、ベストな解決策を見出し、多忙な経営者の皆さまにご提供することが可能です。
ここまでお読みいただいた前向きで熱い志をお持ちの皆さまに深く御礼を申し上げます。
そして迷っているなら、”とにかくやってみましょう”!
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