Date:2020.11.17
すっかり秋の気配が感じられる季節となりました。
皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウィルスは相変わらず世界中で脅威な存在ですが、サンマは美味いし、モンブランも最高、松茸には手が届きませんが季節感満載の焼き銀杏が例年の秋の味覚を楽しませてくれます。
秋といえば読書、この半年間というもの、先行研究論文や難しい書籍を読んだりと、苦行じみていました。。。(特に、英文による論文については、google翻訳が進化したとはいえ、ニュアンスがつたわらないという問題に悩まされました)
しかァし!
その苦行の末に、ずっと暖めていたプロジェクトのコンテンツが完成し、2021年早々には世間さまにご提供できる手はずが整いました(リーダーシップ研究の論文完成も目処がたったしね)♪
ちなみに、そのプロジェクトとは、
ビジネス・パーソン向けの「実践 大人の経営研究所」でございます。
運・勘・経験だけに頼らない科学的論理の経営を、さまざまな業界の一線で活躍する方々と研究する機関です。
詳細については近日公開!
ということで、我慢していた映画をみることができました。
それが・・・
映画 「Yesterday」
Contents
売れないシンガーソンガーライターのジャックが音楽で有名になるという夢をあきらめた日、
12秒間、世界規模で謎の大停電が発生。真っ暗闇の中、交通事故に遭ったジャックが昏睡状態から目を覚ますと…
あのビートルズが世の中に存在していない世界に!彼らを知っているのはジャック一人だけ!?
ジャックがビートルズの曲を歌うとライブは大盛況。そしてエド・シーランのツアーのオープニングアクトを任され、ついにメジャーデビューのオファーが舞い込んでくる。思いがけず夢を叶えたかに見えたジャックだったが…。
リチャード・カーティスの脚本(ラブ・アクチュアリー、トラッシュ、ノッティングヒルなど)に、ダニー・ボイル監督(トレインスポッティング、28日後…、スラムドッグ$ミリオネアなど)というだけで間違いないですが、さらには全編をビートルズの名曲で彩るときたからには高い期待をせずにはいられません。
出典:公式サイトhttps://www.nbcuni.co.jp/movie/sp/yesterdaymovie/
さて、件の映画の感想ですが、
「いいッ!」
「めっちゃいい♪」
カーティスの脚本は相変わらず素晴らしいし
ボイルのシーン配分やカット割、地名や駅名などのキャプチャの入れ方など実に小気味良い
そして、The Beatlesの楽曲…
なんなんだろう…。半世紀近い昔の音楽が、こんなにも現代の日常にマッチする没入感。
映画.comの評価は、3.9点(全514件)https://eiga.com/movie/90371/
YAHOO映画の評価では、4.09点(全3.180件)https://movies.yahoo.co.jp/movie/367867/
結構評価高いですよね。興行成績も全世界で1億4590万ドルを記録し、日本では、映画レビューサイトで「10月第2週公開映画の初日満足度ランキング」で1位を獲得しています。
主人公は、オーディションで選ばれた本作が映画初主演のヒメシュー・パテルという俳優。監督のボイルは、「オーディションで彼が演奏したイエスタデイとバック・イン・ザ・U.S.S.Rの演奏を聴いて、Beatlesに敬意を評しながらも、独自のスタイルで演奏しているのを感じた」と語っており、実際に劇中ではヒメシュー自身が演奏しているのです。
映画にはBeatlesの楽曲はもちろん、エド・シーラン本人による演奏も聴くことができます(ちなみに、当初はCOLDPLAYのクリス・マーティンにオファーしていたらしいが、断られたらしい w)♪
Wonderwallのカバーも聴けます♪
ポール・マッカートニーも夫人とともに本作品を観ており、「とても気に入った」と語っている。
ここから先は、映画にみるアート思考ということで、特にビジネスにおけるデザインという観点で本作を勝手に解釈していきましょう。
ネタバレ注意
まずは、やはり映画全体を通して奏でる「Beatles Music(カバーですが…)」。
冒頭にも書きましたが、現代においても楽曲の素晴らしさは際立っています。すべての曲から醸し出すなんともいえない雰囲気(NEVEによるところは大きい!)や旋律の美しさは、今の時代に登場しても新鮮ですらあるのでは。
まさにBeatles Musicはアートである。
昨今、ビジネスにアート思考を取り入れる動きが盛んである。
アートが文明を築き、文化を醸成してきた歴史と同様に、
これからの時代は、ビジネスで文明、文化を創っていくのではないでしょうか。
これは、監督のもつ感性や能力と観る人の相性にもよるのでしょうが、
構図、カット割、色調、背景処理など、心の琴線に触れるものがあります。
例えていうならば、
海外の空の位置する高さや、まとう空気の質の説明し難い心地よさみたいな。。。
映像から英国の雰囲気が感じられるのは、「ロケ地がイギリスだから」というだけではないんだろうな…
こういった感覚 −頭ではなく、心や細胞レベルが共振する的な現象− 、これってものすごく大切なことだと思います。
スペックやロジック、戦略の優位性じゃなく、心で感じて細胞が欲する商品やサービスって圧勝だと思いません?
逆に、そんな商品やサービスに出逢いたいと思いません?
TVショッピングや販促メールなんかで、「この商品は〇〇の機能を搭載し、⬜︎⬜︎なスペックを発揮します!これがたったの△△円でご提供!さらに!今から30分以内にお電話にてご注文の方には、金額変わらずもう一個お付けします!」みたいな。
やたら!マークが多いみたいな。
いや、ついつい煽りに乗っけられて買っちゃったりもするのですが、
後々考えると、「あっれ?なんでこんなの買っちゃったんだろう?しかも2つもあるし…」ってことありませんか?
それよりも、
「ど〜してもあの商品が欲しい!」
「あの洋服をが着たい!」
「あのバッグを持ちたい!」
「あの車に乗りたい!」
「あのソファを部屋におきたい!」
などなど
細胞レベルで所有欲をかき立てられる商品を手に入れたあと、
「あっれ?…」て
ならないですよね。
どちらかというと、「いやぁ〜やっぱコレいいわぁ♪」ってなりません?
この「心で感じて細胞が欲する商品やサービス」を提供できるかどうか、これがこれからのビジネスにおいてとっても大切なことです。
その商品・サービスがもつストーリー、美学、本質性、オーセンティシティ、こういったのがないと心の琴線まで届きません。
こんな商品やサービスが世の中に溢れることは、社会を幸せにすることでもあります。
心しておきます。。。
上述にもありますが、ストーリーやナラティブということは、とても重要です。
「モノからコトへ」
この10年ほど云われてきましたが、コトとは、体験、経験、物語です。
商品やサービスを消費するコトで得られる体験や経験であり、それが消費者の物語となるレベルのはなしです。
素晴らしい商品やサービスは、芸術や文化に近しい物語を持っています。
映画を見るが如く、音楽を聴くが如く、小説を読むが如く
同じような感動を提供してくれます。
ちなみに、Yesterdayの物語は、基本的には主人公の利己的な恋愛物語の側面もあります。
評価者の中にはそういった点で星を落としている方もおられます。
でも、この映画の物語性はあらすじとしての物語ではなく、
クリス・マーティンに出演を断られたリアルがあった上で、劇中でイエスタデイの曲とCOLDPLAYのフィックス・ユーの曲とを比べられた主人公が、「一緒にするな!偉大な芸術だぞ」と言い放ったり、
ザ・ロング・ワインディング・ロードを自分の曲として演奏した主人公に、エド・シーランが負けを認めて、「生涯で最高の曲を聴いた」、「君はモーツアルト、僕はサリエリだ」と言ったり、
そういったところのBeatlesへの絶大なオマージュがこの映画の真の物語性なのです。
社会の急速なグローバル化やテクノロジーの劇的な進化にともない、市場の需給性向や経済環境は複雑さを増しています。
ポジショニングから内部資源、知識資源、動的な能力資源へと競争の戦略はどんどん進化してきました。
しかしながら、これまでの様々な戦略論の枠組みでは収まりきれないほど大きな変化の波が押し寄せています。
人がどこに心を傾け、何に感動し、どういった不合理な行動を起こすのか
それは
ストーリーであり、美学であり、本質性であり、オーセンティシティに他ならないのではないでしょうか。
清潔で、公正で、真正で、倫理的で、正義が生き残るということではないでしょうか。
格差も、人種も、国籍も、ジェンダーも超越した、新しい自由なリベラルアーツが最も大切になるのではないでしょうか。
そういった思考をあたえてくれる映画「Yeaterday」
皆さまもぜひ ♪
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