Date:2022.05.08
2022年度のゴールデンウィーク(GW)は、休日の取り方によって10日間にもなっていたという。
2年ぶりにコロナ禍による規制のないGWということで、
メディアやSNSでは、
“長い休みを海外で過ごすという羽田空港国際線での家族のインタビュー”
“各地で行われているイベントやフェスを楽しむ人々”
“数年ぶりの故郷への帰省の模様” など、
さまざまな長期休暇のあり方を取り上げていました。
TVやモバイルの画面に映る人々の満面の笑みに…
羨望の思いが募ります。。。
「どこにも行ってねぇ〜!」
こんなゴールデンなウィークに、
ハワイにも、音楽フェスにも、地元の観光地にも(私の地元の和歌山はGW中のお出かけ先国内日本一 [対前年比725%] だそう!)、
どこにも出かけていないのである。
何をしていたのかといえば、
研究室に引きこもり、デスクに張り付いて、
自身の研究のための「文献や論文の読みあさり」と「その翻訳作業」である。
こんなゴールデンなウィークにである。
Contents
現在、
大学院の経営学研究室で「企業の持続的な成長と発展」をテーマに
「人的資源開発」にフォーカスした研究を、大阪と和歌山の二大学と協働で行っています。
そこからのtipsを徒然なる記事にします。
お時間あれば、どうぞ、ご拝読ください。
10年先、5年先どころか、半年先すら予測困難な時代、
企業が持続的に成長していく原動力は「ヒト」に他ならない。
だって、
商品を開発するのも、
製品を販売するのも、
サービスを提供するのも、
ビジネスを改善させるのも、
そもそも事業を運営するのも、
すべては「ヒト」なのです。
だからこそ、
「企業組織の人的資源のパフォーマンスをいかに高められるか」
ということが、現在社会における企業存続にとっての大きな課題ではないだろうか。
そんな仮説のもと、研究をしているのである。
こんなゴールデンなウィークに。
利益率 50%の企業が会社の利益を200%にするためには、売上を400%にしなければならない(極端な単純計算では)。
もしくは、販売費/一般管理費(人件費や経費など)を利益増額分減らさなければならない(乱暴な単純計算では)。
「そんなの無理じゃん!」
でも、利益率を55%、売上を115%、販売費/一般管理費を85%と、
あらゆる項目数値を少しずつ改善させることで、会社の利益は200%に限りなく近づくと思います。
「それは、無理じゃないかも…」
さらに、
これらを実現させるためのパワーを会社のすべての部門、すべてのスタッフでまかなえば、
一人当たりの負担はおおよそ5%程度ですみます。
つまり、会社のすべての「ヒト」の5%の努力で、会社の利益が200%を実現させることができるのです!
素晴らしくないですか!
「では、具体的にどうすればいいの?」
この問いの解を得るために、まさに研究に勤しんでいるのです。
ゴールデンなウィークに。
世界中のどんな業種の企業にも通ずる具体的で確実な方法を発見できた暁には、
きっと、
ノーベル経済学賞というタイトルを得られるのではないかと、密かに考えています♪
一方で、
首尾よく研究が運び、研究論文が学会で発表され、世間にノーベル経済学賞に値する内容が周知されようとも、
世の中のすべての企業が持続的な成長と発展を遂げることはないということも理解しています。
なぜならば、
企業を運営する経営者や経営層の人々も「ヒト」だから。
星野リゾートの星野社長のように、
海外で経営学を学び、その理論を徹底的に教科書通り事業運営に反映させるという経営者もいれば、
「学問上の経営理論なんてものは所詮、机上の論理なんだ」と
あくまでも過去の成功事例や組織慣習に重きをおく経営者もいます。
どちらが正解か、なんてことは未来になってみないと分からない。
しかも、比較のしようもない(あっちの戦略をとっていれば成功したかどうかも分からないのである)。
*この議論についてはこちらのblogにて↓
https://gm-institute.co.jp/498
また、人間はさまざまな認知バイアスに陥ります。
たとえば、
自前主義バイアス(NH症候群)「他からのアイデアを採用せず、ムダに独自の方法をあみだそうとする傾向」
現状維持バイアス「喫緊の問題が起こっていない限り、現状維持を望む傾向」
楽観主義バイアス「自分のことについて、現実より楽観的に考える傾向」
自己奉仕バイアス「成功の要因は自分の手柄で、失敗の要因は他人の責任にあると考える傾向」
後知恵バイアス「出来事や物事の結果について、最初から予見していたと考えてしまう傾向」
ダニング=クルーガー効果「能力が低い人は自分を高く評価し、能力がそこそこ高い人は自分を低く評価する傾向」
などなど…
件の星野社長の話に戻るが、彼の経営思想によると、
「企業経営は成功の連続を求めるより、いかに失敗をしないかということが大切である」と説く。
さらに、
「教科書通りの経営をしたからといって成功が約束されることはない。しかし、失敗するリスクを減らすことはできる」という。
彼の経営における座右の書は、マイケル・ポーターの「競争戦略論」。
産業組織論が源流のSCP理論を「経営学のSCP」へと発展させた名著です。
経営学を専攻されている大学生や大学院生は必ずといっていいほど学ぶフレームですね。
*この議論についてはこちらのblogにて↓
https://gm-institute.co.jp/705
人はバイアスの罠に陥るからこそ、
教科書通りの経営に徹することで、そうしたリスクを回避することができるのかもしれませんね。
そうして星野社長は、今や誰もがその名を知る星野リゾートという大企業を築き上げたのです。
さて、
ノーベル経済学賞級な人的資源開発の研究の話に戻りますが、
研究が深まるにつれ、新たなテーマが湧きあがり、
新たなテーマを探求するにつれ、さらに研究を深めるハメになる
終わりなき旅の現在地不明な状態は、
ゴールデンなウィークをブルーなウィークたらしめる破壊力を持ちます。
とはいえ、
この無限ループを一つひとつ紐解いていく過程が、
両利きの研究 −「知の探索」と「知の深化」− 実現への道程なのでしょう。。。
この状態をアインシュタインの名言で締めくくろう♪
“The more I learn, the more I realize I don’t know. The more I realize I don’t know, the more I want to learn”
「学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるかを思い知らされる。自分の無知に気づけば気づくほど、もっと学びたくなる」
おしまい
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